漫画『信長のシェフ』 ・料理と健康についての食育におすすめ

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『信長のシェフ』の感想レビューです。テレビドラマにもなっていて、かなり有名な作品ですね。
戦国時代にタイムスリップし記憶喪失になった主人公・ケンが、織田信長に料理係として仕えて生き延びるという内容の漫画です。
ケンは自分の過去は思い出せませんが料理の作り方は体で覚えていて、食材の扱い方や調理方法は記憶をたどることができます。
物の流通も調理器具も満足にない時代ですが、ケンは信長や有名な武将たちを驚かす料理を次々に生み出し、歴史の流れにも大きく関わっていきます。

歴史ものの漫画でここまでリアルに料理を描いているものはないので、読むたびに新たな発見があります。
たとえば、食材のひとつひとつに体を整える作用があるというのはあたりまえのことなんですが、材料の調達が簡単になり便利なインスタント食品もある現代では忘れてしまいがちなことです。
食事とはそもそも、「体内に栄養を入れる」ということでした。おいしいと感じることや、食べて満足するとかは全てそのためです。
味が良いということは結果であって目的ではありませんでした。食糧事情の悪い時代には、とにかく栄養素が摂れればなんでも食べたことでしょう。
現代では「エネルギーや栄養素のない食べ物」が消費者に求められているという不可思議な現象が起きています。

囲炉裏風の鍋料理

身近な例で言うと、エキス抽出をして作られた即席だしですね。
かつおぶしや椎茸でしっかりと出汁をとって作ったお味噌汁がおいしいのは、素材の栄養エキスが溶け込んでいるからなんです。
今では豚骨ラーメンを作る際、コトコトと長時間豚骨を煮込まなくても油や化学調味料を混ぜて表面的には似たような味が作れます。
私も面倒なときは冷凍やインスタント食品で食事を済ませることがあるので良し悪しを言える立場ではないけれど、きちんとした食事のほうが栄養価があることは知っておくべきです。


昨年放映されたドラマ版は観てないので漫画とストーリーが同じなのか知りませんが、最新刊の8巻ではさらに気づかされることがありました。
それは、「食べる」ということは薬にも毒にもなるということ。
フグ肝のように味が良くても体に悪いものはあります。苦いのに体調を整えてくれる植物もあります。
今でこそ毒キノコの分類がされていますが、それも昔の人が食べて健康被害があったからわかったことですね。
そういった経験則から「体を整える食べ物」という栄養学が確立されたのか~と実感しました。
普段食べている物のひとつひとつが体を作っていると意識するようになったのは自分で料理するようになってからですが、10代のころから知っていて心がけていれば良かったな~と思います。

『信長のシェフ』は、そういった食育が自然な形で理解できるのでためになります。
絵柄に癖がないし日本史に詳しくなくてもテンポ良く読めるので、万人におすすめできる漫画です。

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