漫画『文豪の食彩』(原作・壬生篤/作画・本庄敬)を読んだ感想

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椅子に座るネコ

たまたま本屋で平積みされていてみつけた『文豪の食彩』。
おじさん向け雑誌で連載しているような雰囲気のグルメ漫画です。
帯に『酒のほそ道』のラズウェル細木氏推薦と書いてありますね。

原作者の壬生篤氏は永井荷風や昭和に関する研究家で、古地図案内などの著書あり。
作画の本庄敬氏は、『蒼太の包丁』という板前修業漫画を長期連載していたようです。


『文豪の食彩』のマンガの内容はというと、若い新聞記者が夏目漱石・正岡子規・樋口一葉・永井荷風・芥川龍之介・太宰治・・・という6人の文学者の食嗜好から、彼らの人生や作品を掘り下げるというものでした。
小説内にでてくる食べ物や、作家自身が好物だった料理とお店については、カラーページやコラムで大きな写真ともにわかりやすい説明がついていて、参考資料としても使えそうです。


文豪の人生と食事についての名著では嵐山光三郎氏の『文人悪食』という本があるので、内容がかぶっていないか心配だったんですが、意外と切り口が違って新鮮な発見が多かったです。
正岡子規に関してはそこまで話の拡がりはないものの、樋口一葉の生きていた時代のカステラについてや、永井荷風が常連にしていたお店での態度など初めて知りました。


料理やお菓子の描き方がヘタなわけではないし楽しく読めるものの、不思議なことに「この料理が食べてみたい!」という気持ちにはほとんどなりませんでした。
マンガでいえば初期の『極道めし』では読んだ後にすぐ食べたくなるし、ドラマの『孤独のグルメ』では翌日だいたい真似して作ってしまうほど共感しやすい性格なんですが・・・。

食べ物のおいしさが主役と言うよりは、作品だったり、文学論的な部分に重きが置かれています。
作家ファンなら読んで損はなさそうですけど、グルメ・料理マンガが好きなだけの人にとっては物足りなく思えそうです。
子規のドヤ顔とか、太宰治と行きつけのウナギ屋の主人とのツーショットというレア写真も載ってますが、なんか太宰は江頭2:50みたいな表情。ほんとにイケメンだったのかなぁという疑惑が生まれてしまった・・・。

 

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